PIXEL for PCはRaspberry Pi向けに英Raspberry Pi財団が提供しているデスクトップ環境のPIXELをX86CPUでも動作するようにカスタマイズしたOSです。これをvmware workstation 12 Player(以降vmware)上に導入します。今回はLIVE起動までの手順を説明します。
目次
1.動機
なぜPIXEL for PCの導入かというと、電子工作入門機や省電力サーバはたまたIOTのINPUTデバイスとして注目されているRaspberryPiがちょっと気になったのでその事前学習の為、さらに現役引退したSony VAIO (vpcp119kj)をこのOSで復活させられるかもとの目論見からです。PIXEL for PCはメモリー拡張機能の「PAE(Physical Address Extension)」を持たない古いCPUでも動作(日経Linux 2017年7月号より引用)し、要求するメモリも最低512MBと大量のメモリを必要としないので古いPCのリノベーションOSとしても最適のようです。
2.ISOファイルの入手
Raspberrypi公式サイトのリンクを開いてページをスクロールします。2ページ目後方付近に
「download」のリンクがあり、クリックするとISOファイルをダウンロードできます。
また直リンクのここからISOファイルを直接ダウンロードすることもできます。
3.vmware仮想サーバの準備
既にvmwareはPCに導入済みの前提になります。
(1)仮想マシンの作成
まずは新規仮想マシンの作成を選択します。
(2)新規仮想マシン作成ウィザード
①ラジオボタンの「後でOSをインストール」を選択し「次へ」
②仮想サーバ名(ここではPIXEL)と仮想ファイル保存先を指定し「次へ」
(3)インストールOSとバージョン選択
LinuxとDebian8.xを選択し「次へ」
(4)ディスク容量の指定
ディスク容量を8Gに変更し仮想ディスクを複数ファイルに分割を選択して「次へ」
(5)ハードウェアのカスタマイズ
①ハードウェアをカスタマイズボタンを選択します。
②スライドバーを上に移動しメモリを1Gに変更します。
③完了ボタンで仮想マシン設定を終了します。
4.PIXEL for PCのLIVE起動
(1)仮想マシン設定編集
仮想マシンのCD/DVD設定を編集し、起動時にダウンロードしたPIXEL for PCのISOファイルに接続できるよにします。まず仮想マシン設定の編集をクリックします。
(2)ISOファイルへの接続設定
左上方の[ハードウェア]タブのリストボックスから[CD/DVD]を選択し[デバイスのステータス]フレームにある[起動時に接続]にチェックを入れます。[接続]フレーム内の[ISOイメージファイルを使用する]を選択し、「参照」ボタンでダウンロードしたISOイメージファイルを指定します。設定が終了したら「OK」を押下し仮想マシン設定を終了します。
(3)仮想マシンの再生
仮想マシンの再生をクリックします。
(4)起動画面
以下のオープニング画面が表示されLIVEOSのロードが始まります。
(5)デスクトップ画面
OSのロードが終わるとRaspberryPiでお馴染みのデスクトップ画面が表示されます。
5.次回予定
このままデスクトップで操作は可能ですがデフォルトの言語やロケーションは英国の設定になっています。設定を変更することは可能ですが、LIVE起動なので変更した設定等は再起動時に消えてしまいます。体験するだけならそれでも良いかもしれませんが継続して利用するには不向きです。
そこで、次回はHDDへのインストールと日本語環境等の設定手順を説明します。